2014年10月26日 (仮訳)医学的に重要なPaecilomyces lilacinusに対する新属Purpureocilliumの提唱 Luangsa-Ard, J. et al., 2011. Purpureocillium, a new genus for the medically important Paecilomyces lilacinus. FEMS Microbiology Letters. …. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1574-6968.2011.02322.x/abstract[Accessed October 25, 2014]. 【R3-01224】2014/10/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヒトやその他の脊椎動物の病原菌として知られているPaecilomyces lilacinusの臨床分離株および土壌、昆虫、線虫由来の菌株を検討した。 ITS+EF1-αに基づく分子系統解析により本種とPaecilomyces属との類縁性が否定されたことから、本種に対して新属Purpureocilliumを提唱した。 また、免疫不全の患者から分離された菌株が生物農薬として線虫防除に用いられる菌株と同一であることを示し、その使用に伴う健康リスクを指摘した。 (新組み合わせ) Purpureocillium lilacinum (Thom) Luangsa-ard, Houbraken, Hywel-Jones & Samson 旧名:Paecilomyces lilacinus (Thom) Samson (基礎異名はPenicillium lilacinum Thom) ※Paecilomyces nostocoides M.T. Dunn.を本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Paecilomyces marquandii ヒトの病原菌として知られている(ただし、誤同定の可能性があり再検討を要するとされた) 形態的に類似している 分生子が紫色 本種と異なり分生子柄が無色 本種と異なりリバースが無色~紫色ではなく典型的には黄色 本種よりアムホテリシンBに対する耐性が顕著に低い (Aguilar et al., 1998) SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりバッカクキン科クレードに含まれる) Isaria takamizusanensis(セミノハリセンボン) 日本に分布する 昆虫から分離される 分生子が紫色 SSUおよびITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(SSUの塩基配列が同一) ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Nomuraea atypicola(クモタケ) 分生子が紫色 SSUに基づく分子系統解析で近縁 Paecilomyces variotii ヒトの病原菌として知られている(無色菌糸症) 本種より寒天培地上での生長が速い 本種と異なりin vitroにおけるアムホテリシンB、フルシトシンに対する感受性が高い (Aguilar et al., 1998; Castelli et al., 2008; Houbraken et al., 2010) SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりマユハキタケ科クレードに含まれる) Fusarium solani ヒトの病原菌として知られている(角膜炎などの原因菌) バイオフィルム形成能が知られている Acremonium型のアナモルフが類似している